いえるの日記帳

「いえる」とは癒える、言える、家る場所を提供するお店のこと。店の名前は決まったけどサービスは未定。準備中です。

生みの苦しみ。トレードオフを身を持って体感しました。

今日はやばかった。

まじでやばかったです。

気を失うかと何度思ったことか。

どうやってそれを伝えようか必死になって考えました。

でも僕は大人の男らしく耐えました。

終わった後はおそらく目からうっすら雫が垂れてたんちゃうかな。

こんな経験今までになかったです。

皆さんもくれぐれも注意してくださいね。

 

えぇ、そうです。

歯医者さんでの話です。

淡路に来てから歯医者どこにしようか迷ってたら、

前回歯医者に行ってからかれこれ2年以上が経過してました。

新しく来た町で病院探すって結構難しいですね。

散髪屋探すぐらい難しいです。ようわからんけど。

地元の人に聞くのもいいんですけど、

自分には合わんかった時の微妙な感じが嫌やから、

自分で決めました。

家から近いから。という選び方しました。

 

外観が綺麗で、今風な感じの歯医者でした。

土日診療してて、夜もわりと遅くまでやってるところも良かったです。

中に入ってみると綺麗で清潔な感じで、

受け付けの方は美人で良かったです。

歯科医師は40代ぐらいの方で、

丁寧に説明してくれる良い医師でした。

 

病院に行くことほとんどないし、

久しぶりやったこともあり、緊張していました。

でも上記のように良さげな雰囲気で徐々に緊張も和らいでいきました。

 

診察は終わりあとは歯科衛生士のクリーニングだけ、

クリーニングで結構好きなんですよね。

終わったあとのすっきり感がなんとも言えませんよね。

こんなに歯に隙間あったけっていうぐらい、爽快です。

 

今回もそんな感じのことを期待していました。

歯科衛生士さんも丁寧な説明をされる方で安心しました。

衛生士さんから「久しぶりなんで歯石が多いかもしれませんが、今日はざっと全体的にやっていきましょう」という合図のもとクリーニングが始まりました。

 

「ざっと全体に」その言葉を安易に受け止めていましたが、

そんなことはなく、かなり集中的にこれでもかというぐらい執拗に攻め続けられました。

というか弄ばれたという方が正しいでしょうか。

これは決して衛生士さんを否定している訳ではなく、

彼女は職務を遂行したにすぎません。

というかかなり丁寧に仕事をしてくれていたと思います。

だってあんなに口開けたままずっとされたことないですもんね。

途中開けている口が疲れきて閉じそうになったぐらい口開けてました。

それでも尚彼女はクリーニングの手を止めることはなかった。

きっと気づいていたはず、僕の顎が限界を迎えていることを。

でも仕事熱心な彼女はそこで手を緩めることはなかった、

歯石を除去すること、ただそこにだけ集中した。

彼女を仕事人と呼ばずになんと呼ぶのか。

 

下の奥歯の左右、そして欠損している上の前歯。

その部分を特に念入りに、そして何度も往復しました。

痛みに耐えている身体は緊張を続け、ガッチガッチに固まっていました。

とくに欠損している前歯を攻められたときは身体がビクつきそうになりました。

それでも悟られないようにと硬く結んだ手を一層硬く結び耐え切りました。

 

天に召されそうになりながらも必死に耐え続けました。

ようやく彼女から「お疲れ様でした、椅子を起こしますね。」

その言葉を聞いて、安堵感が全身を包みました。

この時痛みと安堵でおそらく目から雫が垂れていたと思います。

 

彼女の言葉通り、血の味がする口内をすすいだところ、流し台が赤く滲みんでいました。コップに目をやるとべっとりと血がついておりました。

 

そして「だいぶひっかかるところ多かったですけど、全部取れましたね」の一言。

その言葉を聞いた時すごく恥ずかしい気持ちになりました。

「こんな歯石を溜めた歯でよくも、人前で話ができたな」と言われているようでした。

あー穴があったら入りたい。そんな気持ちでした。

 

痛みや出血は伴ったもの同時に爽快感を得られたのは言うまでもありません。

来週またクリーニングです。嬉しくて身震いします。

 

家に帰って、つれあいに上記の顛末を話しました。

その時「肩になんかついてるよ」と、

右肩を覗き込んだところ、血液が付着していました。

 

あー、衛生士の彼女は返り血を浴びながらも怯むことなく、僕のしつこく羞恥心の塊である歯石と戦ってくれたんだなと感慨深い思いでした。