今日は人生で初めてのことを経験した。
年齢を重ねるにつれて初体験はどんどん減っていく。
初体験が減ると人は年を取ったように感じるのかもしれない。
今日の初体験はパステル画です。
坂口恭平さんが書いていたのでいいなと思って前々からやってみたかった。
すでにパステルは1カ月ほど前には購入していたのだけど、
どうも気が進まなかった。
上手くいかなかったらどうしようという思いから中々手を付ける気にならなかった。
そもそも僕は絵を描いたことがない。
正確に言えば描かされたことはあっても、描こうと思ったことなどなかった。
絵って学校の授業で、図工や美術の時間に描くものだという認識がある。
それに僕は絵が非常に下手である。
誰よりも下手である。
よくテレビで画伯などと言われて、絵が下手な人をいじることがあるが、
あんなレベルのものではない。
いじれるほどの面白さもない下手さ。
一番あかんやつです。
下手は下手でも笑いになればそれはいいんだけど、
僕のは笑いにならない。たぶんふーんで終わる。
面白みがない。
だから描きたいと思ったことがない。
授業だから仕方なく描かされていただけ。
なのでテーマがなく、描きたいものを描くようになんて言われると恐怖でしかない。
描きたくもないのに描きたいものを好きに描いていいと言われてもある訳が無い。
だから描くことに対して非常に苦手意識がある。
そんな感じで今回も非常に迷った。
坂口恭平さんのまねをしたいという思いだけで購入はしたものの、
何を描くのかとなった時にちょっと怖かった。
怖いは言い過ぎかもしれないけど、嫌やった。
まねはしたいものの、下手くそな絵を描くということが嫌やし。
もし人に見られでもしたらどうしようと思って嫌やった。
でも今日は特にすることもなかったし、
一念発起して描いてみた。
下手なのは間違いないのだけれども、何より楽しかった。
パステル画を描くのも初めてだけど、楽しく描くということ自体が楽しかった。
描くということを初めて楽しいと思えたかもしれない。
楽しくないのは下手だからではなく、評価されるから楽しくないのだとわかった。
授業で描く絵は最終的には評価される。
上手い下手で成績がつく。
それだけを見ている訳ではないというけれど、かなりの割合を占めていることは間違いない。
だから嫌だっただけ。
別に誰に見せるものでもなく、自分だけが楽しむ限りにおいてはすごく楽しい。
今回は自分で撮った写真を見ながら描いた。
自分が良いなと思って撮った写真だから尚のこと良かったのかもしれない。
やはり作ることは楽しいことなんだと気づいた。
小さい頃は特に周囲の評価を気にすることなく描いていたんだと思うけど、
大きくなるにつれ恥ずかしさが芽生えてだんだんと作らなくなる。
そうやって恥ずかしさのあまりやらないことが増えてくると人はだんだんと年老いてくる。
これからも初体験を続けて行きたい。
大丈夫、きっと上手くいくよ。
