いえるの日記帳

「いえる」とは癒える、言える、家る場所を提供するお店のこと。店の名前は決まったけどサービスは未定。準備中です。

人生で初めて一人で泊まり旅行に行った時の話。

当時私はすごく疲れていました。

仕事を始めて2年目。

1年で最初の職場を退職し、別の場所で働き始めました。

希望を持って退職し、期待に胸膨らませて選んだ職場でした。

しかし、業務量が1年目の比ではなく、毎日新規の患者さん。

それは僕にとっては試練でしかありませんでした。

人に慣れるのに時間がかかるのに息つく暇もないぐらい次から次と新患がやってきました。

あれは大変でした。

人生でトップ5に入るぐらいの目まぐるしい毎日だったと思います。

 

1年ほどそんな状況で働いて迎えた年末。

社会人2年目で初めて経験する年末年始の長期休み。

実家暮らしだった僕はそれなりにお金もあったし何をしようかなと思案していました。

学生時代は年末年始にカウントダウンイベントに行くのが常でしたが、

 

その時の僕は、「人に会いたくない。のんびり過ごしたい。」という状況でした。

 

そう思った僕はふと思い出したことがあります。

それはある友人が与論島という島に言ってゲストハウスですごした時の話。

自然が豊かで人も良くてすごく良かったと。

その当時僕はそんな島の名前なんて知らなくて、どこやねんって感じでした。

その友達は「めがね」という映画を見たらよくわかると言ったので、

当時ツタヤが全盛だったのでDVDをレンタルして見てみました。

内容がゆるすぎて途中寝てしまい、どんなないようだったか定かではありません。

たしか空港に着いて主人公が宿泊先までの道のりに迷い、

どうのこうので、もたいまさこ氏のかき氷が美味しく。

もたいまさこ氏が考えた体操をみんなでやるというような内容で。

黄昏るというセリフがしきりに言われていたような。

 

映画の内容はよくわからんが、僕も黄昏たいと思い、

航空券を予約して、与論島を目指しました。

どこから乗ったか忘れましたが、たしか那覇空港で乗り継ぎをしたような。

乗り継ぎまで時間があったから、町ブラして専門学校の卒業旅行で行った

アロハシャツ屋に行ってなんか半そでのシャツ買いました。

その店の兄ちゃんに与論島って知ってますか?って聞いたら

知ってるけど行ったことないし、この時期行く人あんまいないんじゃないですか?

って言われました。

沖縄からは見えるけど沖縄の人もあんま行かないと思いますよ的な感じでネガティブな情報しかくれませんでした。

 

一気に不安な気持ちになりましたが、ここまで来て帰る訳には行かないので、

とりあえず行ってみよと、宿の予約はしてないけど。

え?宿の予約してないの?

そうなんです。思いつきのノリで行った感出すために予約取りませんでした。

というかその当時そんなにググるという概念がなかったからか、映画の情報以外僕の手元には与論島の情報は一切ありませんでした。

なのでどうしたら良いかわからずとりあえず航空券だけ予約して行ってみました。

今思えば航空券どうやって予約したのかもはっきり覚えていない。

 

与論島に着いたら、乗客はほとんどが迎えがあるおそらく帰省客ばかりで旅行に来ているような人をほとんど見かけませんでした。

やべー来るとこ間違えたと思いながら、どこに行ったら良いかもわからずとりあえず空港を後にしました。

とりあえず町まで行けばなんとかなるかと思ってひたすら歩いたけど、広がる平野。

マジどうしようと思ってテンパったけど、一旦空港に引き返しました。

公共交通機関がないか探しましたが、見当たらず。

タクシーが見えたのでとりあえずタクシーに乗り込みました。

何もわからなかったので、正直に予約してないことを伝え、

どうしたら良いか聞くと困ったような顔をされましたが、

観光協会まで連れて行ってもらいました。

観光協会の人はすぐに対応してくれ、徒歩で行けるたしか「青海荘」という名前の民宿を紹介してくれました。

 

そこは民宿らしい民宿で完全な家族経営のところでした。

20代前半の予約もしていない男が1人で年末にやってくるという状況。

宿の人もとてつもない雰囲気を感じたかもしれませんが、そこは見て見ぬふりをしてなぜ与論島に来たか理由も聞かず優しく対応してくれました。

近寄りすぎず、離れすぎずな良い距離感を保ってくれていました。

 

めがねの情報しか持っていない僕はそこで、5泊ほど過ごしたのですが、

毎朝早くにご飯が出来ましたー!という放送で起こされ、

軽く2合は入るであろう米櫃にパンパンに入った朝ごはんを食べ、

夜までご飯はないので、朝食後は島内をひたすらぶらぶらして、

観光客の少ないため、どこに行ってもプライベートビーチな感じのビーチで

朝から晩御飯の時間までひたすら黄昏ました。

黄昏切りました。

黄昏すぎて途方に暮れました。

だってすることないもん。

それにその時期は一年の内で一番天気が悪い時期らしく、

南国にありながらひたすら毎日曇りでした。そりゃ観光客おらんわ。

宿の人も申し訳なさそうにしていましたが、

曇りで強風ふきすさぶなか、毎日自転車に乗って、

ビーチを目指すという日々を過ごしていました。

ビーチに行き過ぎて、誰ともふれあいを持つことがなく、

なんでこんなところ来たんやろと後悔すらしました。

 

いや待てよと。

そう言えばここに来たのは「人に会いたくない。のんびり過ごしたい。」

というその一心で来たんだと。

目的達成されてるやん。

めっちゃくちゃ実現されてるやん。

言霊すげー!ってなりました。

 

そして、一人で迎えた年越しの瞬間。

たしかその時見てたのはナイナイの岡村がイリュージョンみたいなのをしてたと思います。

でもその内容がグダグダ過ぎておもんなくて気づいたら寝てて、1時ぐらいに目覚めるという残念さ。

いつの間にか年越してました。そしてそのままふて寝。

 

翌日は元旦ですから、祝い酒てきなやつが宿でもあって、

与論献奉というのがあって、酒の回し飲みをする風習があるみたいで、

無理に勧められはしないのですが、こんな時こそ飲むしかないと思って朝から飲んだら、酒の飲めない僕は案の定具合悪くなってその日はグロッキーでビーチ巡りもできませんでした。

次の日に帰る予定だったのですが、そのまま宿でダラダラ過ごし最終日を迎えました。

 

結局滞在中にお日様と出会うことは一度もなく、

初の一人お泊り旅行はあの日の曇り空のようにどんよりとしたまま終わりました。

帰りのタクシーの運転手にこの話をしたら、

「この時期は天気悪いからね、残念だったねハッハッハー」と言うてました。